2013年12月3日火曜日

無実の死刑囚奥西勝さん・袴田巖さんを救え!!12・8 支援の集い


冤罪File が協賛する上記集会が以下のとおり開催されます。

2013年12月8日(日)
午後1:30~4:00(開場 午後1:00)
日比谷コンベンションホール(日比谷図書館地下)
 会場へのアクセス  http://hibiyal.jp/hibiya/access.html
協力券・500円

主催 実行委員会
協賛 『冤罪File』

●記念講演
「死刑再審事件の現状と課題」
 大出良知・東京経済大学現代法学部教授
●名張毒ぶどう酒事件弁護団報告
●冤罪袴田事件・朗読劇
●サックス演奏 中川美保

名張毒ぶどう酒事件の奥西勝さん(87歳)は事件発生から52年間、袴田事件の袴田巖さん(77歳)は事件発生から47年間、無実を訴え続け、裁判のやり直しを求めています。両氏は、死刑の恐怖と長い過酷な獄中生活のなかで健康も心配されています。
 足利、布川、東電OL事件で再審無罪が確定する一方で、死刑再審について裁判所、検察は頑なに再審開始を阻もうとしています。ぜひ、多くのみなさんに名張、袴田両死刑再審事件の真実を知っていただき、支援を拡大するために、以下のような集会を行います。ぜひ多くの方々のご参加をお願いいたします。

2013年3月5日火曜日

3月10日 袴田巌さん誕生日(77歳)リレーアピールを開催

 無実の死刑囚、袴田巌さんは、来る3月10日、東京拘置所の中で77歳の誕生日を迎える。
 再審請求は、DNA鑑定を行った鑑定人の証人尋問を終え、有罪証拠とされた「5点の衣類」が警察による捏造であることが科学的に明らかにされた。ただちに再審を開始すべきことは疑いもない。そして一日も早く袴田さんを獄から解放し、心身の健康を取り戻すために、適切な医療を急がなければならない。
 袴田さんを支援する広範な市民団体が、誕生日のこの日、街頭で袴田さんの無実と再審開始を訴えるバースデー・リレーアピール」を行う。
 この間、再審無罪を勝ち取った氷見事件、足利事件、布川事件、東電女性社員殺人事件(ゴビンダさん冤罪事件)の当事者や支援者も応援に駆けつける。これだけ広範な冤罪再審支援の人たちが一堂に会することは珍しい。それだけ、冤罪・再審への関心が高まっていることを示すとともに、高齢となった袴田さんの救援が時間との勝負であることも物語っている。
  当日は3-11東日本大震災、福島原発事故2周年の前日で、反原発などの大きな動きも街頭などで繰り広げられる。こうした中で、国家による犯罪である冤罪の訴えを行うことには、大きな意義がある。多くの方が有楽町マリオン前に集まり、袴田さんの無実の訴えを受け止めていただきたい。
日時:3月10日(日)13時~14時半(小雨決行)
場所:有楽町マリオン前
主催:袴田巌さんは無実だ!バースデー・リレーアピール実行委員会
挨拶:袴田ひで子さん(巌さんの実姉)
構成団体:日本国民救援会/袴田巌さんの再審を求める会/袴田巌さんを救援する清水・静岡市民の会/袴田巌さんを救援する静岡県民の会/浜松・袴田巌さんを救う会/無実の死刑囚・袴田巌さんを救う会/アムネスティ・インターナショナル日本/日本プロボクシング協会袴田巌支援委員会(要請中)
応援参加:桜井昌司さん(布川事件)杉山卓男さん(布川事件)菅家利和さん(足利事件)柳原浩さん(氷見事件)赤堀政夫さん(島田事件)その他

2013年1月9日水曜日

滋賀「人工呼吸器外し患者殺害」事件、2度目の再審請求で雪冤なるか

冤罪File第16号で取り上げた滋賀県の「人工呼吸器外し患者殺害」事件で懲役12年の判決を受け、和歌山刑務所に服役中の西山美香さん(33)から手紙が届いた。
 西山さんは24歳だった2004年7月、看護助手として働いていた病院で谷榮次郎さん(72)という男性入院患者の人工呼吸器のチューブを外し、殺害したという容疑で逮捕された。それから8年以上も拘禁生活が続く彼女は昨年9月、大津地裁に2度目の再審請求をしたのだが、手紙には、自分の雪冤のために駆けずり回ってくれている両親への思いが切々と綴られていた。
 <私は 谷さんを殺ろしてはいませんが 人間関係をきずくのが苦手で かんてい書にもあったように 人の意見に合わしてしまうところがあり その結果 私は自分のことだから なっとくするようにしていますが お父さん お母さんは大事な娘をうばわれてしまった気持ちを考えると胸がつまる思いです。
 それに面会にも月2回来てくれますが アクリル板ごしにしか会えず 手をつなぐことすらゆるされません。
 その気持ちを考えると 自分のあかさかな行動を反省するとともに両親のありがたみを感じながら これからの生活をしてあげないといけないと思っています。>※すべて原文ママ
 冤罪を訴える人のわりには、「反省」するような言葉が並んでいる。これは冤罪Fileで既報の通り、西山さんが任意捜査の段階で札付きの暴力刑事だった男性捜査官に好意を寄せてしまい、その好意につけこまれる形で自白に追い込まれ、被疑者とされたことに対し、自分にも落ち度があったように感じているためだ。
しかし、西山さんの裁判で事実上唯一の有罪証拠である捜査段階の自白は内容的に非常に不自然で、変遷も激しかった。また、人工呼吸器のチューブが勝手に外れる「よくある医療事故」である可能性がろくに検証されないまま、殺人事件と決めつけられているなど、捜査も裁判もきわめて杜撰なものだった。問題とされるべきは、あくまで自白偏重の捜査や推定有罪の裁判のあり方であることは動かしがたい事案である。
2010年9月になされた1回目の再審請求で弁護人は、西山さんの自白は虚偽だと断じた心理学者の鑑定書などを無罪の新証拠として提出したが、請求はわずか半年で棄却されている。今回の2度目の再審請求では、人工呼吸器のチューブが外れてもアラームが鳴らなかった事例の報告書などが新証拠として提出されたが、西山さんや両親の無実の訴えは今度こそ裁判官たちに届くだろうか。
亡くなった谷さんやご遺族の方々のためにも、真っ当な司法判断がなされて欲しいものである。
 
(片岡健)